3.11

東日本大地震から今日で10年。
10年前の僕は17歳で岩手県一関市の高校に通ってました。
大地震により、親戚や知り合いを亡くし、友達は家族を亡くし、僕の本籍の陸前高田市では町と人が津波によって消えました。

水も食料もなく、必死に買いにいくも電気も水も通っていないため、どのお店もやっていない。
コンビニやスーパーに泥棒が入り、荒らされているところもあった。
何週間もお風呂に入れず、トイレも使えず、今のコロナによる衛生面から比べたら、天と地の差であった。 
3.11から何日か経って僕は体調を崩した。
ひどい下痢と吐き気と発熱。
おそらく食中毒だろう。
病院に行きたくても病院も機能してないため、行っても受け入れてくれない。
水も食料も限られ、薬もなく、一日中スキーウェアを着て寒さを凌ぎ、苦しい思いをしながら布団に入り寝ていた日を今でもはっきり覚えている。
3月の岩手はまだ非常に寒く、家の灯油を盗む泥棒もたくさんいた。
電気が通っていないため、もちろん信号もついてない。車で移動する時は恐怖でしかなかった。
しかし、奇跡的に街で交通事故が起きたとは聞かなかった。
今考えると事故を起こしても電話が通じないため、110番通報、救急車もレッカー車も呼べなかったからなのか。

テレビがつかないため、ラジオでニュースを聞く毎日。

4月上旬に近所の銭湯が営業した日に入ったお風呂には感動した。

ここには書ききれないことを経験した17歳。

今の生活が当たり前と思っている人は多いのではないだろうか。
本当の幸せというのは何か大きな不幸が起きてから気づく。
しかしそれでは遅いとその時気づく。
今の当たり前に感謝し、何かあった際には凹まず前へ進む精神が必要だ。

あれから10年経ちどれだけ僕は前に進めただろうか。
今思えばもっとできたことがあったのではないだろうか。
10年というと長いと思うが、正直まだ10年しか経っていない。
過ぎた時間は取り戻せない。
そこを悔やむのではなくそこから学びを得て僕らは前に進み続けなければならない。




千葉晃樹


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千葉 晃樹 KOKI CHIBA

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